TREATMENT TYPES
小児矯正の種類
小児矯正には、さまざまな「種類」があります。ただし、ここでいう種類は単に装置の違いだけを意味するものではありません。乳歯だけの時期に行う早期の咬合誘導、永久歯への生え替わり期に行う一期治療、永久歯が生え揃ってから行う二期治療など、年齢や成長段階によって治療の考え方そのものが異なります。
また、実際の治療方法としても、マウスピース型矯正装置、拡大装置、プレート装置、ワイヤー矯正、口腔筋機能療法(MFT)、保定装置など、多くの選択肢があります。大切なのは、「どの装置が流行っているか」ではなく、「お子さまの成長段階と歯並びに、どの種類の治療が合っているか」を正しく見極めることです。
TYPE 01
年齢で異なる種類
乳歯列期・混合歯列期・永久歯列期では、治療の目的も進め方も大きく異なります。
TYPE 02
装置で異なる種類
マウスピース、拡大装置、プレート、ワイヤーなど、症状に応じた選択が必要です。
TYPE 03
機能改善も重要
口呼吸、舌癖、飲み込み方、唇の閉じ方なども、小児矯正の重要な対象です。
BASIC CONCEPT
小児矯正の種類は「年齢・治療段階」と「装置・治療法」の2つで考えます
「小児矯正の種類」と聞くと、インビザライン・ファーストや拡大装置など、装置名を思い浮かべる方が多いかもしれません。しかし実際には、小児矯正はまず、どの年齢・どの成長段階にいるのかによって分類する必要があります。そのうえで、歯並びや噛み合わせの状態、顎の大きさ、永久歯の位置、口腔習癖の有無などを総合的に診断し、適切な装置や治療法を選択します。
まずは年齢・治療段階で整理する
小児矯正は大きく、乳歯列期の小児矯正、混合歯列期の小児矯正(一期治療)、永久歯列期の小児矯正(二期治療)に分けて考えると理解しやすくなります。各時期で、治療の目的や期待できる効果が異なるためです。
たとえば、乳歯列期では「悪習癖の改善」「お口の周囲の筋機能の育成」が中心になり、混合歯列期では「顎の幅の調整」「永久歯が並ぶスペースの確保」「上下の顎のバランスの改善」が重要になります。
次に装置・治療法で整理する
同じ混合歯列期でも、インビザライン・ファーストが向くケース、拡大装置が必要なケース、MFTを重点的に併用すべきケースなど、治療法は一つではありません。症状によっては、複数の治療法を組み合わせることもあります。
小児矯正の種類は「装置の名前」で選ぶものではなく、「どの成長段階で」「何を改善したいのか」によって選ばれるものです。
OVERVIEW
図で見る小児矯正の全体像
小児矯正の種類を最も分かりやすく理解するには、まず全体像を把握することが大切です。乳歯列期から混合歯列期、永久歯列期へと進む中で、咬合誘導・一期治療・二期治療という流れがどのように位置づけられるのかを整理しておきましょう。

全体像を把握すると、相談のタイミングが見えやすくなります
この図では、1歳から18歳頃までの歯と顎の成長に合わせて、小児矯正の代表的な治療段階が整理されています。乳歯列期には咬合誘導や悪習癖除去の訓練、混合歯列期には一期治療、永久歯列期には二期治療という流れが一般的です。
ただし、すべてのお子さまがこの順番どおりにすべての治療を受けるわけではありません。乳歯列期から介入した方がよいケースもあれば、混合歯列期まで経過観察でよいケース、永久歯列期から本格矯正を始めるケースもあります。大切なのは、今のお子さまがどの位置にいるのかを把握し、必要な種類の治療を選ぶことです。
PRIMARY DENTITION
乳歯列期の小児矯正
乳歯列期とは、乳歯だけが生えている時期のことを指します。一般的には3歳頃から6歳頃までが目安です。この時期の小児矯正は、「早期咬合誘導」「予防矯正」と呼ばれることもあり、歯を大きく動かすというよりも、将来の歯並びに悪影響を与える要因を早めに整えることが主な目的になります。

3歳頃から相談できるケースがあります
乳歯列期の小児矯正では、受け口、開咬、口呼吸、指しゃぶり、舌癖、ポカン口、左右非対称な噛み方などを確認します。この時期に問題があると、単に歯並びだけではなく、顎の成長方向やお口の機能発達にも影響することがあります。
特に、受け口や反対咬合、開咬などは、成長とともに固定化される前に一度確認しておくことが大切です。また、乳歯列期では装置よりも、生活習慣の見直しや筋機能訓練が重要になる場合も多くあります。
乳歯列期の小児矯正で主に確認すること
- 受け口・反対咬合があるか
- 前歯が噛み合わない開咬があるか
- 口呼吸やポカン口が続いていないか
- 舌で歯を押す癖、指しゃぶりがないか
- 顎を左右どちらかにずらして噛んでいないか
- お口周りの筋機能に問題がないか
乳歯列期で重要なのは「治す」よりも「悪化要因を見つける」こと
乳歯列期では、永久歯がまだ生え揃っていないため、歯並びを最終的に完成させる治療を行う時期ではありません。むしろ重要なのは、将来の歯並びや噛み合わせに悪影響を与える可能性がある習癖や機能の問題を早めに見つけることです。
口呼吸、ポカン口、指しゃぶり、舌で前歯を押す癖、頬杖、うつぶせ寝などは、歯並びや顎の成長に影響することがあります。小児矯正では、こうした要因も含めて確認します。
MIXED DENTITION
混合歯列期の小児矯正(一期治療)
混合歯列期とは、乳歯と永久歯が混在する時期で、一般的には6歳頃から12歳頃が目安です。小児矯正の中心となる時期であり、「一期治療」と呼ばれることが多い段階です。この時期は、永久歯がきれいに並ぶための土台づくりを行える重要なタイミングです。

小児矯正でもっとも代表的な時期です
混合歯列期では、上顎や下顎の成長を見ながら、永久歯が生えるスペースを確保したり、歯列の幅を整えたり、上下の顎のバランスを整えたりします。乳歯列期よりも治療の選択肢が広がり、小児矯正として最も典型的な治療時期といえます。
この時期に適切な一期治療を行うことで、将来的に永久歯列期での本格矯正を進めやすくしたり、場合によっては二期治療の負担を軽減できたりすることがあります。ただし、すべてのケースで二期治療が不要になるわけではありません。
混合歯列期で主に行うこと
- 永久歯が並ぶスペースの確保
- 顎の幅の改善・歯列の拡大
- 交叉咬合や受け口、出っ歯などの改善
- 上下の顎の前後的なバランスの確認
- 口呼吸や舌癖の改善
- 将来の二期治療を見据えた土台づくり
一期治療は「永久歯をきれいに並べるための下地づくり」です
一期治療の目的は、永久歯を最終的にきれいに並べることだけではありません。永久歯が並びやすいスペースを確保すること、上下の顎のバランスを整えること、噛み合わせのズレを早めに確認すること、口腔習癖を改善することなどが重要な目的になります。
混合歯列期に適切な対応ができると、将来的な抜歯矯正の可能性を減らせる場合や、二期治療の難易度を下げられる場合があります。ただし、効果には個人差があり、二期治療が必要になることもあります。
PERMANENT DENTITION
永久歯列期の小児矯正(二期治療)
永久歯列期とは、永久歯が生え揃ってくる時期で、一般的には12歳頃以降が目安です。この段階で行う矯正治療は「二期治療」と呼ばれ、歯並びや噛み合わせをより精密に整える治療になります。成人矯正に近い内容になることもありますが、成長期の特徴を踏まえながら進める点に意味があります。

歯並びを仕上げる段階です
二期治療では、永久歯列全体を対象として、歯の位置や噛み合わせを細かく調整します。マウスピース型矯正装置やワイヤー・ブラケット装置などが主な選択肢となり、見た目だけでなく、咀嚼機能、清掃性、長期的な安定性まで考慮して治療を行います。
一期治療を受けているお子さまでは、永久歯の萌出状況や顎の成長が落ち着いた段階で、二期治療が必要かどうかを改めて判断します。逆に、一期治療を行わず、この永久歯列期から本格矯正をスタートするケースもあります。
永久歯列期で主に行うこと
- 歯列全体の精密な排列
- 上下の噛み合わせの仕上げ
- 前歯の傾きや見た目の改善
- 咬合の安定化
- 後戻りを防ぐための保定計画
- 必要に応じた成人矯正への移行判断
二期治療は、永久歯列を整える本格的な矯正治療です
二期治療では、永久歯が生え揃った状態で歯並びと噛み合わせを整えます。前歯の見た目だけでなく、奥歯の噛み合わせ、上下の歯列のバランス、口元の印象、清掃性、治療後の安定まで考えながら治療を進めます。
一期治療を行った場合でも、すべてのお子さまで二期治療が不要になるわけではありません。一方で、一期治療によって永久歯が並びやすい環境が整っていると、二期治療を進めやすくなることがあります。
APPLIANCE TYPES
装置・治療法で見る小児矯正の種類
年齢・成長段階による分類に加えて、実際の治療では使用する装置や治療法による分類も重要です。ここでは、当サイト内で詳しく解説していく代表的な小児矯正の種類を整理します。
01
インビザライン・ファースト
混合歯列期のお子さまに使用されるマウスピース型矯正装置です。目立ちにくく、取り外しができるため衛生管理がしやすい一方で、装着時間の管理が重要です。
02
口蓋拡大装置・拡大システム
上顎の幅が狭い場合や、永久歯が並ぶスペースが不足している場合に検討する治療法です。歯列の幅や顎の大きさに関係する重要な治療の一つです。
03
プレート装置
取り外し式の装置で、歯の誘導や歯列の拡大、噛み合わせの調整などに使用されることがあります。ご家庭での管理が治療結果に関わります。
04
ワイヤー・ブラケット矯正
永久歯列期の仕上げや、細かな歯の移動が必要な症例で用いられます。マウスピース型装置だけでは難しいケースでも対応しやすいのが特徴です。
05
MFT(口腔筋機能療法)
舌の位置、飲み込み方、唇の閉じ方、口呼吸など、お口周りの筋機能を整えるトレーニングです。小児矯正では装置と同じくらい重要になることがあります。
06
リテーナー・保定装置
治療で整えた歯並びを安定させ、後戻りを防ぐための装置です。小児矯正は「歯を動かして終わり」ではなく、保定まで含めて考える必要があります。
HOW TO CHOOSE
どの種類が合うかは、診断によって決まります
小児矯正の種類を理解するうえで重要なのは、「うちの子にはどれが合っているのか」を早い段階で正しく判断することです。見た目が似ている歯並びでも、その原因が骨格なのか、歯列の幅なのか、口腔習癖なのかで、選ぶべき治療法は変わります。
治療法を選ぶときに確認すること
- 現在の年齢と歯の生え替わりの段階
- 顎の幅・上下の顎のバランス
- 永久歯が並ぶスペースの有無
- 受け口、出っ歯、叢生、開咬、交叉咬合などの症状
- 口呼吸、舌癖、指しゃぶり、ポカン口などの有無
- 取り外し式装置を管理できる年齢かどうか
- ご家庭で治療をサポートできるかどうか
- 一期治療が必要か、経過観察でよいか
- 二期治療まで見据える必要があるか
FAQ
小児矯正の種類についてよくあるご質問
小児矯正には多くの種類があるため、「どの治療を選べばよいのか」「何歳からどの種類になるのか」など、初めての方には分かりにくいことも少なくありません。代表的なご質問にお答えします。
Q小児矯正の種類は、何を基準に分けるのですか?
A大きくは「年齢・成長段階による種類」と「装置・治療法による種類」に分けて考えると分かりやすいです。乳歯列期、混合歯列期、永久歯列期で治療目的が異なり、さらに症状に応じてマウスピース、拡大装置、ワイヤーなどを選択します。
Q一期治療と二期治療は何が違うのですか?
A一期治療は主に混合歯列期に行い、顎の幅や永久歯が並ぶ環境を整える治療です。二期治療は永久歯列期に行い、歯並びや噛み合わせをより精密に仕上げる治療です。
Q乳歯列期から必ず矯正が必要ですか?
A必ず必要というわけではありません。ただし、受け口、開咬、強い口呼吸、舌癖、顎のズレなどは早めに確認した方がよい場合があります。相談したからといって、すぐ治療になるとは限りません。
Qインビザライン・ファーストだけで治るのですか?
A適応する症例では有効な選択肢ですが、すべてのお子さまに向いているわけではありません。拡大装置やMFT、将来的な二期治療が必要になるケースもあります。
Qどの種類の治療が良いか、自分で判断できますか?
A最終的な判断は検査・診断が必要です。見た目だけでは分からない骨格的な問題や永久歯の位置、口腔習癖などが関係することがあるため、矯正歯科で専門的に確認することをおすすめします。
FIRST CONSULTATION
お子さまに合った小児矯正の種類を、診断に基づいてご提案します
小児矯正にはさまざまな種類がありますが、最適な治療法はお子さま一人ひとりで異なります。まずは歯並び、噛み合わせ、顎の成長、永久歯の位置、口腔習癖を確認し、必要な時期に必要な治療をご提案します。
